まだ労働組合に入っていない皆さんへ

2011/09/28

労働組合とは
労働組合の活動
町田市職労とはどんな団体?
組合費について
組合費は何に使われるか
自治労に加盟する町田市内の関連団体
自治労とは何か
普段の活動
  1.春季闘争と秋季闘争(賃金確定闘争)
  2.2011春闘の独自要求書の概要
公務員賃金と人勧制度
  1.「春闘」から始める交渉―合意の流れ
  2.人事院勧告から東京都人事委員会勧告へ
  3.制約されている公務員の権利と今後
組合が提供する福利厚生


労働組合とは 

 労働組合の起源は、18世紀のイギリスにあるという説があります。産業革命によって工場生産は飛躍的に発展しましたが、同時に持てる者(工場経営者)と持たざる者(労働者)の貧富の差が激しくなりました。労働者は、賃金を得るためには経営者の言いなりにならざるを得ず、とても弱い立場でした。
 安い賃金を握りしめ、労働者は仕事帰りにパブに集まって、-杯やりながら経営者の悪口を言ったりして憂さを晴らします。そのうち、誰それがケガをしたとか病気になったといった情報交換が始まり、みんながお金を出し合って相互扶助的な保険活動が始まります(これが共済組合の始まりといわれています)。
 さらに、この労働者の集まりが定着すると、人手を必要とする経営者がパブに出かけて求人活動を行うようになります。職業別に集まるパブは決まっていましたから、大工が必要ならこのパブ、仕立て屋が必要ならあのパブというように、職業紹介所的な、いまでいうハローワークのような機能をパブが持つようになったのです。
 こうして、パブが労働者の集まりとして力を持つようになると、経営者に対して賃上げなど労働条件の交渉を始めるようになりました。これが、労働組合の始まりといわれています(これ以外にも、中世のギルドを起源とする説など、労働組合の起源には諸説あります)。


労働組合の活動
 労働組合がパブでの語らいから誕生したことからもわかるとおり、労働組合は単なる交渉機関ではなく、さまざまな悩みを抱える職員も安心して働き続けられる職場づくりを目的に、幅広い活動を進めています。町田市職労でも、春、夏、秋の節目の団体交渉を行うことは通常の活動として取り組み、勤務・労働条件に関するお悩みに関し随時ご相談お受けしており、さらに、毎月1回(第4水曜日)、弁護士による無料法律相談を行っています。
 また、市職労では、自分たちの仕事の向上に役立つような学習会を開催したり、震災救援、自然災害や飢餓で苦しむ国や子どもたちへのカンパ活動や復興ボランティア活動に参加したりとさまざまな地域活動に積極的に取り組んでいます。
 
 私たちが加盟している自治労(全日本自治団体労働組合)は、全国組織であり2751単組、約84万人(2010年1月現在)の組合員を擁する組織であり、そのスケールメリットを活用して、団体生命共済、火災共済、自動車共済などの共済活動も行っています。
 一人では実現できないようなことでも、みんなが参加する組合という組織だからこそできることがあります。



町田市職労とはどんな団体?
 私たち、自治労町田市職員労働組合(旧・町田市職員組合)は、1958年6月に結成され、2008年6月に結成50周年を迎えました。結成から51年目の2009年4月、町田市民病院の地方公営企業法全部適用に伴い、市民病院の仲間たちは町田市民病院ユニオンとして市職労から分離独立ました。
 現在、町田市職労はすべての職域、職種から加入し、組合員は約1,700人となっています。
 私たち町田市職員労働組合は、町田市に勤務する職員で構成される職員団体です。組合の主な日常の活動を担うのは、中央執行委員会のメンバーです。中央執行委員会は、中央執行委員長1名、中央副執行委員長2名、中央書記長1名、書記次長2名の三役と中央執行委員14名で構成され、毎年行われる役員選挙で選ばれます。
 また、支部・部会・分会・協議会などの職場組織があります。そこで出された問題や、機関決定が必要な案件を討議するため、年に10回程度規約に沿って選出された職場委員さん出席のもと話し合いをする職場委員会があります。
※自治労町田市職員労働組合と自治労町田市民病院ユニオンは連携関係にあります。
 
組合費について
 町田市職労の組合費は、給与月額又はこれに相当する額の1000分の15に300円差し引いた額とし、毎月の給料及び夏季・年末手当から天引き(チェックオフ)で控除されます。また、上限額は、4,500円となっています(2011年1月現在)。


組合費は何に使われるか  
 組合の活動を支えているのが組合費です。労働条件改善等のさまざまな取り組みのために組合費は使われています。組合費について誤解を恐れず例えて言うと、“通常はあって当たり前、しかし無くなると困る携帯電話”の利用料と同じようなものです。
 組合費の使い道は、大まかに次の8つになります。

  ① 組合活動に使う雑費(印刷物、資料作成代、諸会議開催費用、物品購入費など)
  ② 組合事務所維持経費(事務所光熱費・コピー機等の賃借料、書記、専従役員の給与費など)
  ③ 組合主催の各種企画の運営費(分会長会議費、選考試験対策講座費、メーデー・旗開き費など)
  ④ 組合組織を強化・拡大するための費用(分会組織強化・拡大補助金等)
  ⑤ 組合活動の様子を伝えるための情報宣伝費(ホームページ管理費、諸宣伝費)
  ⑥ 職員・家族で行うレクリエーションに対する補助、市職労主催レクリエーションの事業費
  ⑦ 地域の問題を市民と共に考える活動費(自治研究研修会費等)
  ⑧ その他活動費(青年男女・現業活動費、上部団体である自治労の活動を支えるための分担金外)




自治労に加盟する町田市内の関連団体
 町田市民病院ユニオン、自治労に加盟する町田市社会福祉協議会職員労働組合、町田市社会福祉協議会学童ユニオン、町田市役所ユニオン、東京援護協会ユニオン、町田市図書館嘱託員労働組合等

 

自治労とは何か

 私たち町田市職員労働組合は、全日本自治団体労働組合(自治労)という組織に加盟しています。これが上部団体です。
 日本の労働組合は、同一産業内での結集を図ってきました。たとえば、自動車産業なら自動車産業同士で、食品産業なら食品産業同士でといった具合です。これを産業別労働組合といい、自治労も地方公務員や自治体の関連事業所で働く人によってつくられた産業別労働組合です。
 自治労には、全国の県庁、市役所、町村役場、公社・事業団、自治体関連企業などで働く労働者が加入しています。各々の自治体や事業団体ごとに単位組合(単組)が結成され、自治労に加盟しています。現在、日本全国で、2751単組、約84万人(2010年1月現在)が加入している、日本で組合員数が一番多い組合(産別組織)です。
 日ごろの活動を円滑に進めていくため、各都道府県に県本部というまとめ役が置かれ、単組と自治労本部との連絡調整などを行っています。東京都本部には町田市職労を含め約130の単組があります。 



普段の活動
 労働組合の基本的で重要な役割として、賃金などの勤務条件や働く環境を守るということがあります。そのために組合は、使用者(組合用語では当局)と交渉を行います。 
 一方的に労働条件を悪くされたりしないように、また、職場からの要望や要求を実現できるように交渉します。これを団体交渉(団交)といいます。労働組合は会社や自治体の組織の-部ではありません。使用者(当局)と対等な立場で話し合うことができる独立した組織です。

 


【1.春季闘争と秋季闘争(賃金確定闘争)】
 職員労働組合では、団体交渉を必要に応じ随時行っています。その中でも民間企業に働く労働者の賃金を決める「春闘」と、公務員の賃金を決める「秋の賃金確定闘争」は、年間を通じて非常に重要な要求と交渉の場です。
 「春闘」では、3月の中・下旬を大きな山場として民間労働者が賃金改善に向けて取組みます。ここで決まった新しい民間の賃金相場が、人事院及び各人事委員会の調査、勧告の基になるわけです。そして、最終的に「秋季年末賃金確定闘争」によって私たちのその年の賃金が決まります。

 

【2.2011春闘の独自要求書の概要】
  ① 賃金・人事・任用制度に関して
  ② 2011年4月の職員配置等に関して
  ③ 過重労働対策等に関して
  ④ 新たな施策や業務の見直し等事前協議の徹底
  ⑤ 臨時・非常勤職員の処遇・労働条件・ワークルールについて
  ⑥ 人事考課制度に関して
  ⑦ 総合的福利厚生事業予算に関して
  ⑧ 新庁舎移転問題の対応に関して


 

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公務員賃金と人勧制度
 国・地方を問わず、公務員は労働基本権の制約を受けている代償措置として、人事院勧告(地方公務員は人事委員会勧告)によって、民間に準拠した賃金水準が保障される仕組みになっています。
 この仕組みによって、私たちの賃金はどのように決定されるのか、また、その過程で組合はどのような役割を果たすのでしょうか。


【1.「春闘」から始まる交渉-合意の流れ】
 毎年3月から4月にかけて集中して賃金等の労働条件改善交渉を行うのが「春闘」です。民間の労働組合が産業別にまとまり、公務員の労働者も一緒になって労働条件の改善に向けて要求や交渉、集会などの行動を重ねます。ここでの労働者全体の賃金の底上げが、人事院勧告・人事委員会勧告と言う形で、その後の公務員の賃金決定に大きな影響を及ぼします。

 
【2.人事院勧告から東京都人事委員会勧告へ】
 春闘で新しい年度の民間労働者の賃金が決まると、これを基に人事院は7月~8月にかけて国家公務員の賃金をどの程度の水準に改定するかを勧告します。その根拠は、公務員の賃金と事業所規模50人以上の企業に働く従業員の賃金との比較です。人事院勧告は内閣と国会に対して行われますが、その後の各県や市町村の地方公務員の賃金決定にも影響します。
 47都道府県や政令指定都市にも、制度上人事院と同じ性格の人事委員会が設けられ、各自治体の公務員の賃金について賃金改定を勧告します。現在町田市職員の給料は基本的に東京都職員の給料表に準拠しています。従って、私たちの賃金は東京都人事委員会勧告に大きく左右される形になります。
 都の人事委員会勧告を経て秋口に上部団体である東京都本部のもと23の市町職の仲間と共に統一行動をとります。そして労使交渉を重ねたすえ合意点にいたれば妥結となります。ちなみに2010年賃金改定において例月給については、平均1,235円、0.29%引下げる内容で合意しています。

 
【3.制約されている公務員の権利と今後】
 現在、公務員制度改革の必要性が指摘されています。2008年6月には「国家公務員制度改革基本法」が成立し、これに基づく「国家公務員制度改革推進本部」が設置されて具体的な内容の検討が進められています。
 日本の公務員制度で最も問題となっているのは、憲法で保障されている労働三権(団結権・団体交渉権・争議権)が全面適用になっていないことです。これは、世界的にも珍しい状況で、先進諸外国ではほぼすべての国で、三権とも付与されています。日本の消防職員に至っては団結権さえ禁止されており(=組合がつくれない)、これはILO(国際労働機関)加盟国の中では日本だけという実情です。
 イギリス・フランス・ドイツなどの公務員にはストライキ権も認められています。2002年11月21日、ILO理事会が日本政府に「公務労働者に労働基本権を付与すべき」と勧告を採択したことは新聞などでも広く報道されました。日本政府も早期にILO151号条約に批准して国内法を改正することが求められています。
 今通常国会において労働基本権回復を含む国公法改正案が提出される予定です。今までのスケジュールでは、この新制度は2013年4月より措置される予定となっています。人事院勧告制度のもとでは第三者機関による勧告をもとに賃金労働条件を決定する仕組みでしたが、新しい労使関係のもとでは、自治体労使の交渉によって締結される労働協約を基本に、賃金・労働条件が決定されることとなります。そうなればますますの組織強化、拡大が必須の課題となります。


 

組合が提供する福利厚生
1.労働金庫
  ① 各種貯蓄・ローン等
  ② 緊急貸付として30万円までなら組合特別金利での利用も可能

2.自治労共済
   ① 総合共済基本型(各種慶弔・見舞金制度)
    *組合で付加して支給(資料参照)

   ② 団体生命共済

   ③ 自動車共済
   ④ 火災・自然災害共済
   ⑤ その他
     ・行事レクリエーション保険

3.ディズニーリゾートバスツアー(変則勤務職場対象平曰開催も実施)

4.映画チケットを1,100円で販売
     ・イオンシネマ・TOHOシネマズ・MOVIX

5.職員互助会で実施している行事(旅行・観劇・コンサート・スポーツ観戦・セミナーなど)に参加した組合員には、参加費用の半額を組合で助成

6.お中元・お歳暮ギフト等格安な物資あっせん
   ex.ハムギフト関連商品など

7.西東京共同法律事務所と契約し、毎月1回無料法律相談

8.レンタカー利用割引制度(トヨタレンタカー・ニッポンレンタカー)

9.公務員賠償責任保険の加入
    *組合と部課長会が共同して保険加入団体「けやき会」を設立。
     (ただし、病院勤務の医療職は除外)


 

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